第47回:寄生虫学会 原生生物学・共生生物学談話会コラボセミナー(オンライン・ハイブリッドセミナー)
3月29日(水)
|金沢歌劇場3階 第3,4会議室 &オZoomによるハイブリッド開催
・筑波大学 計算科学研究センター 教授 稲垣祐司 博士 「真核生物の大系統:最近の研究成果から見る多様性の広がり、まとまり、今後の展望」 ・福井工業大学 環境食品応用化学科 丸山 萌 氏 「ユーグレノイド類ラパザにおける盗葉緑体現象」


日時・場所
2023年3月29日 15:00 – 17:00
金沢歌劇場3階 第3,4会議室 &オZoomによるハイブリッド開催, 日本、〒920-0993 石川県金沢市下本多町6番丁 金沢歌劇座
参加者
イベントについて
演題1
丸山 萌(福井工業大学 環境食品応用化学科) 「ユーグレノイド類ラパザにおける盗葉緑体現象」
葉緑体は、原生生物とシアノバクテリアの融合進化(一次共生)に始まり、その後の二次共生(原生生物と一次共生生物)によって多様化したとされる。葉緑体をもつ現存する生物の中には、その共生過程の痕跡を示すものがおり、葉緑体進化解明の鍵とされている。一方,盗葉緑体現象は,他の生物から奪った葉緑体を自身の葉緑体として一時的に利用する動的な融合現象であり,これも葉緑体進化を想起させる。本発表では、ここ数年間で明らかとなった、ユーグレナ藻の姉妹系統ラパザにおける盗葉緑体現象について紹介する。
演題2 稲垣 祐司 (筑波大学 計算科学研究センター) 「真核生物の大系統:最近の研究成果から見る多様性の広がり、まとまり、今後の展望」
これまでの研究により、真核生物系統中にはおよそ7つ程度の系統的な「まとまり」が存在すると考えられている。この知見はゲノム・トランスクリプトームデータに基づく数百タンパク質配列データにもとづく系統解析、いわゆるフィロジェノミック解析が大きな役割を果たしている。これらの「まとまり」以外に、どのまとまりにも近縁性が検出できない「みなしご生物」、存在が知られているだけで分子データが存在しない生物種も複数認識されている。本発表では、我々の研究グループの成果を中心に真核生物大系統間の系統関係に関する最近のフィロジェノミック解析からの知見を紹介し、今後の展望を議論したい。